読書感想文 - RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる
何か偉大なことを成し遂げた人物はどうやって育ってきたのかをイメージすると、若い頃からどうやって生きるかを明確にし、その道を突き進んで生きてきていることを想像してしまう。それが大成功するためには必須ということになると、のんびり生きてきた僕は大成功できないということになってしまう。
そんなことを信じる訳にはいかないので、僕は「そんなことないよ〜」って言ってくれる本を日々探し求めているが、RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になるは、35歳のことを成し遂げてない人間に「そんなことないよ!まだまだ行けるよー!」と勇気を与えてくれる本だった。
知識の幅が武器になる
問題解決能力や発想力が優れた人は、アナロジー(類推)をよく使う。例えば問題解決の際、ものと後を抽象化し構造を理解した上で、同じ事柄を別の分野ではどのように解決するのかを探す。自分の専門の領域を超えていろいろな知識を持つことでアナロジーを行う際に使える材料が増え、解決に導きやすくなる。
そのため、専門領域に特化した知識だけではなく、専門外の知識も持つことが武器になる。
知識の幅を広げるために重要なこと
知識の幅を広げようと思う際には、物事を単純なルールで見ずに本質を理解することが重要になる。知識を武器にするためには、本質を理解してアナロジーで使用できるようにしなければならないからだ。これはプログラマーのコピペでプログラミングするのではなく、理解してプログラミングしようっていう話と似ていると感じた。(参考:コピペするプログラマに足りないもの 〜 プログラミング脳の鍛え方)
コピーして貼り付ければ、なんとなく動くプログラムを作ることはできるが、それが何かを理解していないと、次に同じ内容の問題を解決するときに知識として利用することができないし、なんとなく動いたプログラムが問題を起こしたときになぜ問題を起こしたのかの調査が難しくなってしまう。
自分が結果を出せる場所が見つかるまで実験しよう
人には向いていないこともありそこで結果を出すのは難しい。しかし、何年も同じ専門領域で仕事をしているとサンクコストのせいで抜け出しにくくなってしまう。この本では、自分が向いていると感じるものを見つける方法として、土曜日の朝の実験の例が書かれている。
スミシーズという科学者は土曜日の朝に普段の研究とはほとんど関係のない研究を行い、生物学と化学を大きく変えるような発見をした。土曜日の朝は、細かい分量などもそれほど気にせず興味のあるものの実験を楽しみながらした。
向いているものがまだ見つかっていないと感じる人は、土曜日の朝の実験を計画して好きなものに取り組むと良いかもしれない。飽きて全く違うことを初めても問題ない。色々と迷いながら進むことが知識に幅を持たせるためには重要になる。