電話が苦手だったけど、今は使ったほうが早いと思っている

昔から電話が苦手だった。理由を一つに絞れるほどはっきりしているわけじゃないけど、いくつか嫌な記憶が残っている。

小学校のころ、テレビで「電話をかけて応募」みたいな企画があって、親に促されてかけた。つながった瞬間に言葉が出なくてモゴモゴしてしまって、あとから「なんでちゃんとシャキッと喋れないの?」と言われた。失敗したことより、その失敗をはっきり指摘された感じが残っている。

友達の家に電話したときも苦手さが出た。相手のお母さんが出て、名字で「石川君いますか?」と言ったら「どっちの石川?」と聞かれた。兄弟がいるなら当たり前なんだけど、当時は怖くなって「間違えました」と切ろうとしたら、「いや間違ってねーよ、どっちの石川?」と返されて固まった。怖かった。

高校生になってバイトに応募しようとして、初めて自分で電話をかけたときも、やっぱりモゴモゴした。相手に「あの、もうすみません、バイトの申し込み終わっちゃったんです」と言われた。本当に締め切っていたのかもしれないけど、自分の話し方のせいだと思ってしまって、そのまま嫌な記憶に追加された。

会社に入ってからも、かかってきた電話を取るのが苦手だった。何と言っているか分からないし、聞き返し方も分からない。焦って、またモゴモゴする。電話って、苦手なまま積み上がっていく。

自分は分からないことがあると、まずネットで調べてなんとなく進めてしまうタイプだ。細かい条件は「まあいいか」で進めて、あとでズレに気づく。情報が間違っているというより、自分の状況への当てはめが雑で、そこが外れる。

最近はAIにも聞けるけど、結局「それが本当に自分のケースに合っているか」は自分で判断しないといけない。裏付けのサイトを読んでも難しかったり、知りたい部分と少しズレていたりして、迷いが残ることがある。

その点、電話で人に聞くと、その場で条件を確認してくれる。必要な質問を返してくれて、状況が整理された上で「あなたの場合はこう」と答えが返ってくる。自分の状況専用の答えになる。当たり前なんだけど、当たり前の快適さを知らなかった。

電話が好きになったわけじゃないけど、仕事をしていると回数が増えて、完璧じゃなくても進められる感覚が少しずつ増える。フリーランスや起業みたいに電話が増えると、さらに慣れる。

昔は電話が苦手だから避けていたけど、今は調べてズレるほうが嫌な場面がある。だから、電話を使ったほうが早いと思うようになった。